Salon Rustique
~french country style~
Une baguette faite avec de la levure naturelle
telle que conçue par les Japonais vivant
en France.
Nous pensons aux réserves annuelles de fruits
et légumes du jardin.
Essayez de faire les recettes françaises !
Apiculture
Apiculture
(養蜂農家)
フランスはとにかく養蜂が盛んな国。
ブドウ畑やラベンダー畑、ひまわり畑や果樹園、フランス各地にある庭園を訪れると、多くの養蜂箱が置かれていることに気がつかれた方もいらっしゃるのでは?
養蜂農家で採れる蜂蜜は、採取する時期や場所、その年に咲く花によっても、全く違う味になります。そのため、「去年買った蜂蜜が美味しかったから、同じのが欲しいわ」と尋ねると、「今年は違う花がたくさん咲いたから、同じ味はないよ」と言われてしまいます。
今回はロット=エ=ガロンヌ県にある小さな養蜂場を訪ねてみました。
「キコキコ……。」
何かが回転する音が聞こえてきます。
私たち3人がDidierさんに指定された農家に到着すると、すでに彼は蜂蜜を採るために分離器を回していました。
「すごーい!蜂蜜の匂いがする!」
甘い香りに誘われて、分離機の周りに駆け寄ると琥珀色の美しい蜂蜜が流れ落ちたところのようでした。
蜂の巣箱の中にはぎっしりとCadreと呼ばれるフレームがぎっしり。ここに蜜蝋のシートを敷き、蜂が巣を作っていきます。
採蜜はおおよそ6月から8月にかけて行われます。
春には桜、タンポポから始まり、プルーン、ニセアカシア、ティヨール(リンデン)、ひまわり、栗などなど、蜜蜂たちはこの地方に咲く花の蜜を集め、それぞれに特徴ある蜂蜜になっていくのです。
蜜がたっぷり蓄えられると、蜂は自らハニカム構造の巣穴を蜜蝋で塞ぎます。
蜂蜜を採取するためには、この蓋の部分を薄く削りとり、1枚ずつこのフレームを分離機に8枚セットします。
私たちもこの蜜蝋を薄く削り取る工程を体験させていただきましたが、見た目よりずっと難しく、すぐに手がべとべとに……。
まず最初にいれた面はゆっくりと遠心分離機を回します。表、裏と2回ひっくり返し、最後は回すのも軽くなります。
分離機を回すと蜂蜜の甘い香りが辺りに漂います。
私も分離機を回してみましたが、何度も何度も繰り返すこの作業を続けていくのは大変なこと。
それでも、下部の蛇口から美しい黄金色の蜂蜜が出てくると感激もひとしおでした。
こうして採取した蜂蜜は、1週間ほど置き、蜜蝋やプロポリスなどの残置物などが浮いてくるのを待つそうですが、私たちは直接採取した蜂蜜をいただくことにしました。巣箱にセットした各フレームに蜜がたまると、最低でも1箱あたり7kg。ハイシーズンになると、35kgほど蜂蜜が採れるのだとか。
また、蜂蜜の採取できる量は、花の咲いた時期の天候に左右されるのも養蜂農家の特徴で、オーヴェルニュ地方は昨年の干ばつと熱波で、花は咲けども花粉がつかず、蜂たちにエサ(シロップ)をあげる状態にまで追い込まれていました。
「今年は全くダメだ……。」と、近所の農家のご主人が肩を落としていたことは記憶に新しいです。
しかし、Didierさんは「あくまでも自然にまかせたい」と蜂にエサを与えることはしないと熱く語っていました。例えばプルーンの開花時期は約2週間ほどで、その時期に雨が降ると、花が咲いていても花粉が落ちてしまい、一気に採蜜量が落ちてしまいます。それでも、「自然との付き合いは、いい時もあれば、悪い時もある」という考え方を貫き通されていました。
蜂たちが蜜源となる植物を探すために移動する距離は、巣箱からおよそ3kmほど。あんなに小さい身体ですが、時には5kmくらい移動することもあるそう。もちろん、そこまで移動してしまうと疲れすぎてしまうため、普段は3km圏内で蜜源を探すようです。
さて、私たちの手元にある美味しい蜂蜜たち。
この貴重な琥珀色の液体をどうやって食しましょうか?
(木蓮)