

Salon Rustique
~french country style~
Une baguette faite avec de la levure naturelle
telle que conçue par les Japonais vivant
en France.
Nous pensons aux réserves annuelles de fruits
et légumes du jardin.
Essayez de faire les recettes françaises !
Thé français

Thé français
(フランス紅茶)
皆さんは「紅茶」と聞くと、「アフタヌーンティー」のイメージから、イギリスを思い出しませんか?
しかし、フランスにも素晴らしい紅茶、ハーブティーがあり、その贅沢な味わいは、まだまだ日本では知られていません。
決して有名なブランド紅茶ではないのですが、ヨーロッパで長く愛される紅茶が、フランスのロット=エ=ガロンヌの小さな村に存在しています。
今回は、3人で紅茶調香師フランクを訪ね「フランス生紅茶」の魅力について教えていただきました。

私とこの素晴らしいフランス紅茶の出逢いは、昨年、ノエル直前に訪れた近くの村で行われたマルシェに立ち寄ったときのことでした。
たまたま見つけた色鮮やかな美しい紅茶に魅せられ、買い物好きの私の血が騒ぎ、お試しで買ってみることに……。
ただの好奇心からだったのですが、家に帰って早速試飲してみると!!
「なに?これ……?」
今まで味わったことのない豊かな香りと繊細な味に、どっぷりと魅せられてしまいました。
もちろん、いてもたってもいられなくなり、すぐにこの紅茶店がある小さな村へ出かけることにしました。

蛇行するドルドーニュー川沿いの村々を1時間ほど走り抜けると、ミシュランの星がつくレストランやビストロがある小さな村に到着!
「この村には何度も来てるのに、一体どこにあるのだろう? 」
村の中をひたすら探しながら歩いていると、教会の真向かいにある路地の先に、2つの小さなテーブルと椅子、黒いシルクハットをかぶった真っ赤な人形を発見!ワクワクしながら路地を歩いていくと、まるで昔の駄菓子屋さんのような店が見えてきました。

ここがフランクの小さな紅茶店。
まるで、物語の中に出てくる「動物たちの秘密のティーパーティー」が開けそうな場所だと思いませんか?
このフランス紅茶の店は、ハーバリストであった彼の祖父が1929年に創業した小さな会社でした。
しかし、彼の母であるマルグレットが引き継ぐこととなり、彼女の普段の暮らしが、このフランス紅茶にちょっとしたスパイスを与えていくこととなりました。
彼女は花が大好きで、毎日庭でガーデニングを楽しみながら暮らしていましたが、第二次世界大戦後、一念発起し、フランス北部、ベルギーにほど近いLille(リール)にて、今まで培ってきた花の知識を使った小さなアンフュージョン(ハーブティー)&紅茶の店を出しました。(2019年に惜しまれながら閉店)
店は次第に人気が出てきたのですが、マルグレットは残念ながら志半ばにして急逝してしまいます。
そのため、今はお姉さんが主に製造担当、フランクは営業と製造に携わっています。
彼の紅茶調香師としての評価は高く、独自の香り高い品質にこだわったブレンドは、フランス国内のカフェやレストランで取引されています。

「この茶葉の色!なんて綺麗!このアロマのように癒される香りはなんだろう?」
彼の配合する紅茶やアンフュージョンは、まるで茶葉の中に宝物が隠れているようで、私は毎回その魔法にかかったような気分になります。
茶葉の中に青く光る花ブルージャスミン、真っ赤なラズベリー、瑞々しいオレンジの皮、赤く柔らかい胡椒の実、淡いオレンジのかけらはニンジン!
まるでお庭の畑からもぎ取ってきたかのようなフレッシュな香りに心打たれました。
これまでの紅茶のイメージとは全く違った印象に驚き、そのどれもが個性的!

毎日のように「これは何の味?どんな効用があるの?」としつこいほどにメッセージを送り、一つ一つ勉強していきました。この紅茶の魅力はなんといっても飲み方がいろいろあること。
アペリティフや食事の際、食事に合わせたチョイスができるため、アルコールが飲めない方にお勧めしたいと思っています。
私の一押し「フランス生紅茶」。
この感動の味を料理やお菓子に使ったレシピとともに、一つずつご紹介していく予定です。
ほんの少しでも「フランス生紅茶」にご興味を持っていただけますように……。
そして、いずれフランス旅行が可能になった際は、フランクを講師として招き、彼らの生み出す素晴らしいアンフュージョンの世界をお伝えしたいと思います。
ぜひぜひ、私たちのSalon Rustiqueにて新たな扉を開いていただけるよう楽しみにしています。
(取材:佳代子 写真&文:木蓮)