Salon Rustique
~french country style~
Une baguette faite avec de la levure naturelle
telle que conçue par les Japonais vivant
en France.
Nous pensons aux réserves annuelles de fruits
et légumes du jardin.
Essayez de faire les recettes françaises !
Levain naturel
Levain naturel
(天然酵母)
みなさん、天然酵母パンってどんなイメージをお持ちでしょうか?
そもそも天然酵母ってなに?という方もいらっしゃるかもしれませんね。
とにもかくにも、ちょっとしたコツさえ掴めば、美味しいパンを家で楽しめます。
捨てようとしていた意外なものからも、天然酵母は起こせます。
パン作りって、難しいんじゃないの?と思っている方にこそ、読んでいただきたい!
パンで幸せな食卓を!の願いを込めて、綴っていきます。
パン作りに必要なものは、小麦、水、塩、酵母。
たったこれだけです。
この酵母というのは、実は、土の中や水の中、植物の葉・花・果実の皮、種等、地球上のあらゆるところに存在しています。
「あらゆるところ」にあるわけですが、利用しやすいという点から、私は、主に、食べたあとの果物の皮や種から、酵母を起こしています。
あなたが捨てようとしている皮や種も、美味しいパンが焼ける素となるので、捨てずに酵母を起こしてみましょう!
酵母は「糖」、とりわけ「ぶどう糖」を好み、それを餌に生きています。
糖を食べ、それを分解するときに、アルコールと炭酸ガスを作り出します。
これが発酵です。
人々はこの作用を利用し、昔からパンやワイン、お酒造りに利用してきました。
果物の皮や種等に生息している酵母には、乳酸菌などの複数の微生物が共存しています。
そのため、同じ素材を使っても、その素材のあった環境によって風味が異なるというわけです。
自然界に生息する酵母を自宅で培養して作るので、自家製天然酵母といいます。
具体的な作り方は後述しますので、全体のイメージを掴んでくださいね。
まず、果物の皮や種などを瓶に詰め、ミネラルウォーターを注いで「酵母液」を作ります。
しばらくするとこの酵母液が発酵し始めます。
次いで、この酵母液を小麦粉と混ぜて「元種(母種)」と呼ばれる状態にします。何度か酵母液と小麦粉を混ぜる作業を繰り返すと、強力な元種が完成します。
この元種に、小麦粉、塩、水を混ぜて、パン生地にし、成形してオーブンで焼きます。
さて、酵母液に使える素材は、いろいろあるのですが、もしもあなたが初心者ならば、りんごやドライレーズン(オイルコーティングされていないもの)から始めてみてください。
でも、今、手元にない!という方は、糖度が高い果物は失敗が少ないので、そういった素材を使ってみてください。
糖度が少ないレモンなどの柑橘系の素材も、砂糖やはちみつを少量加えると、発酵します。
タンパク質分解酵素を含む素材は、発酵はしてもパン生地にするとドロドロになってうまく成形できないので、避けましょう。
パイナップルなどの南国フルーツがこれにあたります。
【用意するもの】
〇煮沸した広口瓶 1個
〇果物の種や皮 容器の半分くらいまで
〇ミネラルウォーター
〇温度計
【作り方】
1. 素材は洗わず、皮や種を瓶の半分ほど入れ、素材が沈むまでミネラルウォーターを注ぎます。
2. 瓶の蓋を閉めてよく振り、25度から30度くらいの場所に置き、一日一回瓶を開け、空気を取り込んだ後、蓋を閉じて振ります。
(以前は、最後まで瓶の蓋を開けないと記載していましたが、比較実験の結果、瓶の蓋を開けて空気を取り込んだ方がパンがよく膨らむことがわかり、改定しました。)
3. 早ければ一晩、長くても3日くらいで、ジージーとかシューシューと音が聞こえ、素材に泡がびっしりついてきて、発酵が始まります。
*発酵し始めると、液が瓶から溢れるので、瓶の下にトレーを置き、その上にキッチンペーパーを敷いておきましょう。
4. その状態はまだ発酵完了ではなく、さらに1日置き、様子を見ます。
5. 瓶の蓋がガスで膨らみ、押してもへこまない状態になり、瓶の底にオリが溜まっていたら発酵完了の合図です。蓋を開けるとポンと言ったら大成功の証です!
1. 素材が水からはみ出しているとカビますので、沈めてください。
2. 気温が低いときは、クーラーボックスに湯たんぽなどを入れたり、サンルームや車の中に瓶を置いてみてください。但し、直射日光には当てないでください。
酵母の産声を聞いてみてください!
酵母液が完成したら、小麦粉(強力粉)と混ぜて、元種を作りましょう。
フランスの小麦粉の種類は豊富で、灰分量(ミネラルの量)により細かく分かれています。小麦粉の種類は、袋にType+数字で示されています。
私は、ライ麦又はType150(全粒粉に近いもの)を使って、元種を作っています。
【用意するもの】
〇煮沸した広口瓶(750mlくらいのものが使いやすいです) 1瓶
〇酵母液
〇ライ麦又は全粒粉(Type150)
〇輪ゴム
〇温度計
【作り方】
1. 瓶にライ麦(又は全粒粉)と酵母液を50gずつ入れてかき混ぜ、混ぜた状態の生地の表面に沿って、目印代わりに瓶の上から輪ゴムをはめます。
2. 25度から30度のところに置き、2倍の量になるままそっとしておきます。
3. 2倍になったら一旦冷蔵庫で6時間ほど寝かします。
4. 3を湯煎等で少し温めて、1と同じようにライ麦(又は全粒粉)と酵母液を50gずつ入れ、輪ゴムでマークします。2倍の量になるまで暖かいところに置きます。この粉を足していく作業を「カケツギ」といいます。
5. 2倍になったら再び冷蔵庫で6時間ほど寝かし、4と同じカケツギをします。これをあと2回行ったら、元種完成です。冷蔵庫に保存しましょう。
(Chie)
1. 酵母は、30度前後で活動が活発になります。なかなか2倍にならないときは温かい場所に移しましょう。
2. パンを焼かないときも日1回かき混ぜると、長持ちします。
WEB雑誌に以下のレシピを掲載中です。是非、ご購読のうえ、作ってみてくださいね。
■2021年春号53頁 「ティムットと胡桃のスパイシーパン」
■2022年夏号84頁 「香茶『ラヴィアローズ』入りクグロフ」
※こちらはドライイーストを使ったレシピ
■2023年春号76頁 「春のベーグル~捏ねないバージョン~」