

Salon Rustique
~french country style~
Une baguette faite avec de la levure naturelle
telle que conçue par les Japonais vivant
en France.
Nous pensons aux réserves annuelles de fruits
et légumes du jardin.
Essayez de faire les recettes françaises !
Levain naturel

Levain naturel
(天然酵母)
みなさん、天然酵母パンってどんなイメージをお持ちでしょうか?
そもそも天然酵母ってなに?という方もいらっしゃるかもしれませんね。
とにもかくにも、ちょっとしたコツさえ掴めば、美味しいパンを家で楽しめます。
捨てようとしていた意外なものからも、天然酵母は起こせます。
パン作りって、難しいんじゃないの?と思っている方にこそ、読んでいただきたい!
パンで幸せな食卓を!の願いを込めて、綴っていきます。

~【目次】~
4. 元種(母種)
5. パンを作ってみよう♪
6. パンのお悩みあれこれ
(1) 横割れ、底割れ。スチームが出るオーブンでないとパンは焼けないの?
(2) 酵母に元気がない
(3) 綺麗にクープが開かない
(4) 生焼けなんですけど
(5) そもそもオーブンがないとパンは焼けないの?
(6) 過発酵してしまったら
(7) 元種を使いきれません
7. 中世のパン
8. 月の力と美味しいパン

パン作りに必要なものは、小麦、水、塩、酵母。
たったこれだけです。
この酵母というのは、実は、土の中や水の中、植物の葉・花・果実の皮、種等、地球上のあらゆるところに存在しています。
「あらゆるところ」にあるわけですが、利用しやすいという点から、私は、主に、食べたあとの果物の皮や種から、酵母を起こしています。
あなたが捨てようとしている皮や種も、美味しいパンが焼ける素となるので、捨てずに酵母を起こしてみましょう!
酵母は「糖」、とりわけ「ぶどう糖」を好み、それを餌に生きています。
糖を食べ、それを分解するときに、アルコールと炭酸ガスを作り出します。
これが発酵です。
人々はこの作用を利用し、昔からパンやワイン、お酒造りに利用してきました。
果物の皮や種等に生息している酵母には、乳酸菌などの複数の微生物が共存しています。
そのため、同じ素材を使っても、その素材のあった環境によって風味が異なるというわけです。
自然界に生息する酵母を自宅で培養して作るので、自家製天然酵母といいます。
具体的な作り方は後述しますので、全体のイメージを掴んでくださいね。
まず、果物の皮や種などを瓶に詰め、ミネラルウォーターを注いで「酵母液」を作ります。
しばらくするとこの酵母液が発酵し始めます。
次いで、この酵母液を小麦粉と混ぜて「元種(母種)」と呼ばれる状態にします。何度か酵母液と小麦粉を混ぜる作業を繰り返すと、強力な元種が完成します。
この元種に、小麦粉、塩、水を混ぜて、パン生地にし、成形してオーブンで焼きます。

さて、酵母液に使える素材は、いろいろあるのですが、もしもあなたが初心者ならば、りんごやドライレーズンから始めてみてください。
でも、今、手元にない!という方は、糖度が高い果物は失敗が少ないので、そういった素材を使ってみてください。
糖度が少ないレモンなどの柑橘系の素材も、砂糖やはちみつを少量加えると、発酵します。
タンパク質分解酵素を含む素材は、発酵はしてもパン生地にするとドロドロになってうまく成形できないので、避けましょう。
パイナップルなどの南国フルーツがこれにあたります。
【用意するもの】
*煮沸した広口瓶 1個
*果物の種や皮 容器の半分くらいまで
*ミネラルウォーター
【作り方】
1. 素材は洗わず、皮や種を瓶の半分ほど入れ、瓶の縁ギリギリまでミネラルウォーターを注ぎます。
2. 瓶の蓋を閉めてよく振り、温かいところに置き(30度が理想)、一日一回瓶を振ります。
30度前後で酵母は活発に活動します。
ドライレーズンを使用される場合だけは、瓶の蓋を一日一回開けて新鮮な空気を取り込みますが、その他の素材の場合には、蓋は開けないでください。
*ドライレーズンの酵母は好気性なため、蓋を開ける必要があります。
*発酵し始めると、液が瓶から溢れるので、瓶の下にトレーを置き、その上にキッチンペーパーを敷いておきましょう。
3. 早ければ一晩、長くても3日から5日ほどで発酵が始まります。
以下のような状態が複数確認でき、しばらく続いていたら、強力な酵母液の完成です!
蓋を開けてみてください。「ポン」といったら、大成功のサインです。
冷蔵庫で保管してください。
発酵の完了の見極めのポイント:
a. 瓶の蓋がガスでパンパンに膨れて、押しても凹まない。
b. ジージーとか、シューシュー、パチパチといった音が聞こえる。
c. 液が濁り、素材が浮いている。
d. 素材にびっしり泡がついている
e. 瓶から液が溢れた
1. 素材が水からはみ出しているとカビますので、瓶の縁ぎりぎりまで水を入れましょう。
2. 酵母は30度前後で活動が活発になります。寒いといつまで経っても発酵しないので、あまりに時間がかかっているときは、30度前後の場所に置いてみてください。サンルームや車の中は、30度前後の温度なので、それほど手間がかからずお勧めです。
3. りんごも天然酵母を起こす際によく使いますが、たんぱく質分解酵素が含まれます。
発酵が完了したら、65度でしばらく湯煎すると、たんぱく質分解酵素の働きを抑えることができます。
酵母の産声を聞いてみてください!
酵母液が完成したら、小麦粉(強力粉)と混ぜて、元種を作りましょう。
フランスの小麦粉の種類は豊富で、灰分量(ミネラルの量)により細かく分かれています。小麦粉の種類は、袋にType+数字で示されています。
私はType110の小麦粉、日本の全粒粉に近い状態のものを使っています。
その理由はパワーあふれる元種となるからです。
でも、私が住んでいる地域は、ここ最近、Type110の小麦粉は入手しづらいので、どんなパン作りも無難に使えるType65を利用しています。複数の粉をブレンドするのも、味わい深いパンとなってお勧めです。
【用意するもの】
*煮沸した広口瓶(750mlくらいのものが使いやすいです) 1瓶
*酵母液
*強力粉
*輪ゴム
【作り方】
1. 瓶に強力粉と酵母液を50gずつ入れてかき混ぜ、混ぜた状態の生地の表面に沿って、目印替わりに瓶の上から輪ゴムをはめます。
2. 温かいところに置き、2倍の量になるままそっとしておきます。
*30度以上で酵母が活発に活動し始めます。
3. 2倍になったら一旦冷蔵庫で6時間ほど寝かします。
4. 3を湯煎等で少し温めて、小麦粉と酵母液を50gずつ入れ、表面のラインに輪ゴムでマークします。2倍の量になるまで暖かいところに置きます。この小麦粉を足していく作業を「カケツギ」といいます。
5. 2倍になったら再び冷蔵庫で6時間ほど寝かし、4と同じカケツギをします。これをあと2回行ったら完成です。
(Chie)
酵母は、30度以上で活動が活発になります。なかなか2倍にならないときは温かい場所に移しましょう。